次につなげる競馬レース回顧

これ以上負けないように。もっと良い思いをするために。何より競馬を楽しむために。

マーメイドS 回顧 『オカルト継続』

レース中、馬群が綺麗に3つに分かれました。

逃げ3頭、先行4頭、後続6頭。

1〜4着が全て後続の6頭の中から出ており、それだけ展開が後ろの馬に向いたことが窺えます。

その要因はやはりなんと言っても前に行った3頭でしょう。3頭で併走したままハナ争いをして1000mは57.3秒。こんなに速くては流石に潰れてしまいますね。

各陣営に「何が何でも逃げろ」の指示が出ていたのでしょうか?そうでもないと説明がつかないくらいに3頭とも譲りませんでしたね……。

 

1着 4枠4番 ビッグリボン

後方組の中でいち早く動き出し、積極的に前を捕まえに行ったのがこの馬でした。

内枠でもありましたし人気馬でもありましたので先団に取り付くと前後左右と囲まれる形になってしまいました。3〜4コーナーでは完全に馬群の真ん中を走っていて進路があるか心配だったのですが……。

直線を向いた時は綺麗に目の前が開けていました。これは最高でしたね。スムーズに加速することも出来ましたし目の前を走っていたビジンが目標になり走りやすくもなりました。ビジンをかわした後も外から来たウインマイティーと併せ馬の形になり一時はウインマイティーが前に出るかというところを最後までしぶとく伸び続けました。

この馬はキセキの全妹であり、この時期の阪神の芝は非常に向いている可能性があります。

ハンデ戦の中で55kgとしっかりと斤量を背負っての重賞制覇であり、力があることは確かなのですが脚元に展開にと助けが加わっての好走であったことは忘れないようにしておきましょう。

 

2着 6枠8番 ウインマイティー

史上初のマーメイドS連覇がかかっていた一戦でしたが、惜しくもビッグリボンを捉えきれずに2着となりました。

ビッグリボンに比べてこの馬は大きく外を通って直線を迎えており、その分のロスが最後の3/4馬身差になってしまったかなという感じです。

通った場所が逆もしくは斤量がもう1kg軽ければ……と思ってしまいますがそれがハンデ戦ですから言いっこなしですよね笑。JRAのハンデキャッパーは本当に優秀だなと常々感じます。

和田竜二騎手曰く「乗りやすくなっている」とのこと。6歳ではありますがまだもう少し伸び代がありそうな感じがしますね。

一瞬の瞬発力は無いので今回のようなタフな脚元やしんどい展開をジワジワ伸びて来れるような舞台がいいと思います。

夏の洋芝を走るか、休んで秋のG1戦線に備えるか。

今年からエリザベス女王杯は京都に戻りますが実はこの馬は改修前の京都競馬場の経験があります。阪神でないからと評価を落とす必要はないですし、メンバーや天候次第では狙ってみてもいいかもしれませんね。

 

3着 4枠5番 ホウオウエミーズ

来ましたね10番人気。今回を含めて2019年からの5年間で10番人気の馬は2-1-1-1です。この人気で複勝率80%は異常も異常、オカルト的ですらありますね。

因みに10年分を見ても3-1-2-4と勝率30%複勝率60%と非常に高い数字を叩き出しています。一体何がどうなって……。

前述したように今回のレースは後方待機組に大きく展開が向いたレースで、その中でもこの馬はビッグリボンの通ったスペースを後ろからスムーズに内を回して伸びてきています。展開がバッチリ向いての好走であることは間違いないでしょう。

ハンデ戦でかつ展開が向いて3着です。前にいた2頭とはかなり力量差があります。

今後も人気薄のままでしょうし狙いたくなるかもしれませんが、あまり深追いはしない方がいいかもしれません。

脚質的にも不安定な部分がありますし、好走機会はかなり限られてしまっている馬だと思います。

 

2人気 7着 ストーリア

4角でがっつり挟まれて顔が上がってしまっていましたね。私はストーリアを軸にしていたので頭を抱えました。

さぁここから!という直線入り口であの大減速があっては流石に厳しいと思います。

今回の展開とストーリアの実績、そして4角の手応え的には連対した2頭に肉薄する走りが期待できたと思いますので非常に残念なレースとなってしまいました。今回は参考外としていいレースだと思います。

夏競馬には参戦してくるのでしょうか?まだ4歳と若いですし、経験を積んで秋にはさらに強くなっていることを期待したいと思います。とりあえず次はクイーンステークスなんてどうでしょうかね?

エプソムC 回顧 『横山兄弟最強!with父』

横山和生騎手騎乗のジャスティンカフェが圧巻の差し切りで勝利。

先に函館で勝利を収めた武史騎手がモニターで和生騎手が勝ったのを見て大喜びしていた動画がTwitterで話題になっていました。仲良し兄弟、微笑ましいです。今後も2人で競馬界を沸かせて欲しいですね。

でも3着に入ってるお父さんのことも思い出してあげてね。

 

1着 8枠15番 ジャスティンカフェ

出足こそ良くはありませんでしたが人馬ともに落ち着いていました。ゆったりと自分たちのリズムで進めてじわりじわりと位置を上げました。

隊列が決まった頃には2頭かわしており、3コーナーで更に位置を押し上げました。この3コーナーの進出が大きな勝因のひとつであったと思っています。この進出のおかげで直線向いた時に何の不利もなく加速することができていました。

このジャスティンカフェがいることによって真後ろにいたエアロロノアとレクセランスのスパートがワンテンポ遅れることとなりました。

遅れた2頭もいい脚で追い込んでくるもののわずかに先行馬を捉えられず4.5着に敗れています。

もしこの3頭の立ち位置が入れ替わっていたらジャスティンカフェも追い込んだものの前をギリギリ捉えられず……という結果があったかもしれません。ジャスティンカフェの上がりタイムが34.3、エアロロノアとレクセランスが34.4であることを見るとあながちあり得ない話でもないんじゃないかと思えてきます。

ここまでのキャリアはほとんどマイルを使っている馬ですが今日の走りや毎日王冠を見るに1800mの適性も非常に高く感じられます。

案外2000mにも適性があるかもしれません。個人的にとても走ってみてほしいのですが、きっと秋の目標はMCSでしょうね。

今後も直線の長いコースであったり差しがきまりそうな馬場や展開が見込まれるのであれば買っておくべき馬だと思います。

 

2着 8枠17番 ルージュエヴァイユ

思い切った良い騎乗でした。

外枠から腹を括って半ば強引に2番手を確保。そこで一旦落ち着いてから直線で早めに抜け出し粘り込みを図りました。

経済コースをロスなく立ち回ったマテンロウスカイ以外は差し馬が上位を占める中でこの馬は2番手から最後まで粘り通して見せました。

ジャスティンカフェに差されたのは仕方ないでしょう。地力が上の馬に良い騎乗良い競馬をされてしまっては流石に厳しいものがあります。

こうして前で競馬をして結果が出たのは大きな収穫でした。元々末脚の速さは光るものがありましたし、先行策によって安定感が増してくるのであれば今後G3では侮れない一頭になってくるかもしれません。

 

3着 1枠2番 マテンロウスカイ

スタートからインの前をロスなく運べており最後まで粘り強い走りを見せました。

外枠の馬及び最後方付近から追い込んできた馬たちが上位を占める中でこの馬は1枠から先行して残っていますので、着順よりも高い評価ができると思います。

去勢明けから4戦連続で馬券内、古馬重賞初挑戦となった今回も好走することができました。元々安定感のある成績の馬でしたが、去勢により精神面も落ち着いて更に安定感が増してくるかもしれませんね。

差し有利の今回で好走できたのですから、次走以降で前有利が予想されれば積極的に狙うべきでしょう。

 

2人気 7着 インダストリア

悪くはないように見えたのですが最後は今ひとつ伸び切れませんでした。

内枠でずっとラチ沿いに閉じ込められ、馬場の悪いところを走らされたというのが最後に響いてしまったのかと思います。

ルメール騎手曰く一生懸命すぎたとのことですが、稍重でも行きたがってしまうのであればこの馬にとって1800mは長いということなのでしょう。

キャリアの全4勝のうち3勝を中山1600mで挙げてある通り、適性は中山1600mにあるのは明らかだと思います。重賞ならばそこで狙うべきですね。

力はあるので他の舞台でも馬券争いは出来ると思いますが、1番信用できるのは中山でしょう。

 

3人気 12着 レインフロムヘヴン

この馬も悪くないように見えましたが伸びきれませんでしたね。

新馬戦では稍重で勝利しているものの、条件戦以降では馬場が渋ると少しパフォーマンスが落ちる傾向にあります。今回の凡走理由に馬場は間違いなく関連があると思います。狙うべきは良馬場でしょう。

また、道中の位置取りを見ると1800mは少し短いかもしれません。道中がもう少し遅いペースになる2000〜2400の方が末脚を発揮できるのではないでしょうか。

因みに最終的には12着となっていますがゴール手前で進路が無くなり追う手を緩めております。着順ほどは負けていないと考えて良いでしょう。

良馬場の距離延長で見直しです。

函館スプリントS 回顧 『夏競馬開幕!北の将軍様』

2023年、函館競馬が開幕しました。

私の回顧は全然追いつけていないというのに夏競馬が始まってしまいました。

遅筆をどうにかしないと毎重賞を回顧するのは難しそうですね。いや、その前に残業を減らす方が先かな……。

睡眠をとるか回顧をとるか。

 

1着 8枠15番 キミワクイーン

開幕週小回りの函館において大外後方から一気の脚で前を飲み込みました。

これまでは先行する競馬で結果を出してきた馬ですが、外枠であったことと開幕週で先行争いが激化したことから鞍上の横山武史騎手は後方待機を選びました。

この判断が結果的に大正解。良馬場に変わったとはいえまだ地面が水を含んでいたのか、ハイペースになった先行勢は200を切ったあたりでかなり苦しくなっていました。

そこを外から強襲したこの馬が上がり最速の34.4秒の末脚で差し切り勝ち。この馬には函館が向くと進言し、不利に思える開幕週の外枠からしっかりと差し切った武史騎手は戦前からファインプレーでしたね。

武史騎手はこの土日6-1-1-9で勝率が約35%と馬質は確かに良いものの非常に安定した数字を残しています。3場開催とはいえ今週は重賞もあり多くの実績ある騎手が函館で騎乗していましたが、それでも武史騎手は存在感を発揮していましたね。

もちろん6勝は現状函館リーディング。このまま北の将軍となるでしょうか。

馬の方は次走キーンランドカップへ向かうようです。札幌は函館に比べてコーナーが緩やかで差しも函館よりは決まりやすい舞台です。

函館SSを逃げ先行で勝った馬は割引きたいところでしたがこの馬は外から差してますからね。キーンランドでも続けての好走に期待が持てると思います。でも内枠だったら……流石に先行策ですかね。

 

2着 4枠7番 ジュビリーヘッド

一瞬勝つかと思いましたけどね。

この馬は小回りの1200m、特に函館の1200mには高い適性を持っています。

ゲートをスムーズに出て先団少し後ろあたりに取り付き、コーナーの入り口では少し促しただけでぐんぐんと位置を上げて行きました。

直線に入る時にもまだ手応え良く、早くも先頭に並びかけようとしておりここから一気に突き放すかと思いましたが後ろからの強襲に遭いました。

去年のこのレースの2着馬でもあり、2年連続の2着となりました。高い先行力と洋芝や小回りへの適性も相まってこの舞台はドンピシャということなのでしょう。

今回を含めて函館1200mは0-4-0-0であり一度も連対を外していません。今後もこの条件なら狙ってみたいと思います。洋芝の混じる冬の中山もいいですね。

 

3着 1枠1番 トウシンマカオ

ずっとピンク帽子やオレンジ帽子を被らされてきましたが遂に待望の内枠を引けました。………が、極端に内すぎましたかね。

この枠ですので当然ポジションを取りに行くために最初から出して行きました。結果的にハイペースに巻き込まれて最後はいつもの脚が残っていなかったという感じでしょう。

ハイペースを察知して少し後ろに控えましたがその分馬群の中に入り込む形になりますので思ったように加速できなかった、といったところでしょうか。

4コーナーを回る時に思うように加速できていないようにも見えました。急なコーナーの函館ではむしろ外枠の方が競馬がしやすかったかもしれませんね。それでも唯一の58kgを背負いつつ3着までは伸びてきているので、そのあたりは流石に強いなという印象です。

次走はキーンランドカップでしょうか?前述の通り函館よりはコーナーが緩やかになりますのでこの馬も次走積極的に狙ってみたい一頭です。

 

2人気 5着 ブトンドール

完全に結果論ではありますがつけた位置が微妙すぎたかなという印象です。

外枠から先団に取り付きましたが2着馬のように位置を上げるでもなく勝ち馬のように末脚にかけるでもなく、どっちつかずの位置で末脚もそこまで爆発させられなかった感じでしょうか。

1200mのハイペースな流れでも先行していけることは収穫ですが、今回には向かなかったということでしょう。

似たような位置にいたトウシンマカオとは地力の差です。距離ロスの違いはあれど6kgも斤量差がありましたからね。流石にこれは言い訳ができません。

キーンランドカップで人気が落ちるならば抑えておいてもいいと思います。

安田記念直前! 前レース振り返り その2

その2。コメントは前走回顧の一部抜粋ですので全文は各記事を参照ください。

 

5枠10番 ソウルラッシュ 前走マイラーズC

『この馬は体重を増やしながら好走を重ねて来ています。今回も3戦連続の体重増加、しかも一気に8kg増やしていますがこれだけの結果を残せています。この馬がいかに充実期であるかがわかる数字ですね。

しかし脚質的にもシュネルマイスターを始めとした名だたる差しマイラーとの追い比べになることが予想されます。

とはいえこの馬が良い状態にあることは確かです。上積みに期待したいですね。』

 

6枠12番 ナミュール 前走ヴィクトリアM

『今回は度外視で良いと思います。むしろ不利があって更に直線でも詰まり気味になっても7着まで間に合わせたのは末脚の証明でしょう。

古馬牡馬との対戦は前走の東京新聞杯しかデータが無く、一戦級の牡馬相手でどこまでやれるかわかりませんが安田記念は差しが届きやすいレースですので人気薄ならば狙うのもいいかもしれませんね。人気薄ならばですが。』

 

7枠13番 レッドモンレーヴ 前走京王杯SC

『これで東京コースは3-1-0-1になり東京への適性は言うまでもないでしょう。唯一の着外も3歳2月と若い時期の共同通信杯でかつ稍重の馬場であり、更に距離も少し長いということでほぼ度外視してもいいのではないかと思います。

さて本番の安田記念ですがどうでしょうかね。好走するには他の馬とは違うもう一押し、もう一段の上積みが欲しいかなというところです。現状では厳しいと思います。』

 

7枠14番 シュネルマイスター 前走マイラーズC

『今のマイル界を背負っていてもおかしくないくらいの格はあると思っています。

次走は当然安田記念でしょう。今回-14kgでしたが前走が+14kgであり適性体重に戻しただけと考えるのが自然です。

本番では更にここからもう少しだけ絞って本気で取りにくるような仕上げで来ると思います。あまりオッズは美味しくないと思いますが、復調さえすれば相当なポテンシャルを持っているはずです。思い切って単勝に大きく入れてみるのもいいかもしれませんね。もちろん自己責任で。』

 

8枠18番 ソングライン 前走ヴィクトリアM

『次走は安田記念でしょうか。このコンディションのまま乗り込めるならまた良い勝負ができるとは思いますが東京マイルG1で3回も連対してるこの馬は他の馬からキッチリとマークされることが予想されます。

これまでより更に警戒される中でどれだけのパフォーマンスが出せるかが重要です。鞍上の手綱にかかるところも大きいので、そのあたりも予想する上で気にした方がいいかなと思います。』

安田記念直前! 前レース振り返り その1

4月から始めた回顧も遅筆ながらそれなりに数がたまってきました。

今回の豪華メンバーな安田記念には前走回顧を書いていた馬が結構な数出走するということで、せっかくなので前レースの回顧の要点要点を一つの記事にまとめてみました。

一部抜粋して書いておきますが、当該記事のリンクも貼っておきますのでそちらで全文もお読みいただけます。

拙文ですが予想の参考程度に読んでいただけると幸いです。

 

2枠3番 ジャックドール 前走大阪杯

『ロンスパの中で上がり35.3秒レコード勝ちは間違いなく強い競馬だったと思います。

今後も馬場の早い2000mでは注視すべきですね。次の狙い目は天皇賞・秋でしょうか。』

 

3枠5番 ソダシ 前走ヴィクトリアM

『この馬は早め先頭押し切りという王道競馬でここまでマイルG1を好走してきています。強烈な末脚を持つ馬の多い現在のマイル界においてこれは凄い事だと思います。

ここまで安定して成績を残すというのは先行力にも瞬発力にも勝負根性にも優れているということなのでしょう。

白毛ということで見た目が先行して注目されがちですが、それを差し引いてもとても優秀なマイラーです。過剰人気になりやすく買いにくい馬ではありますが、安定度は信頼しても良いと思います。』

 

3枠6番 ダノンスコーピオン 前走京王杯SC

『1頭分の荒れ馬場を走った馬です。しかも直線でどん詰まりしていました。いくらG1馬といえど流石に厳しそうでしたね。

この馬はデビューから外枠に入ることが多かった馬で、最内で揉まれるのもあまり慣れていなかったかもしれませんね。

安田記念は手強い相手が揃いますのでなかなか厳しい戦いになるかなと思います。私の中では現状人気が全然なければ抑えるくらいですね。』

 

4枠7番 ガイアフォース 前走マイラーズC

『イン前に行った馬がしっかり粘れる展開と馬場の中でこの馬も後ろから差してきました。直線では進路取りに手こずる場面があり、スムーズなら勝ちまであったと思います。』

 

4枠8番 ドルチェモア 前走NHKマイル

『完全な結果論ではありますが先行した時点でほぼ負けでしたね。

今回は展開が向かなかったことが最大の敗因だとは思いますが、この馬はもしかしたら渋った馬場が苦手かもしれないですね。

次走あたりから人気はぐっと落ちて買いやすくなるはずですので良馬場ならもう一度信じてみてもいいかもしれません。もちろん同型馬の存在や展開には十分注意してくださいね。』

 

5枠9番 シャンパンカラー 前走NHKマイル

『この馬は新馬戦で差し、ベゴニア賞で逃げ、ニュージーランドTで先行、そして今回は追い込みで好走しています。しかも良馬場でも稍重でも。この自在性はとても強力な武器だと思います。

前走の回顧で「東京の方が向きそう」とお話していましたが実際これで東京マイルは3戦3勝となりました。ですがこの自在性や器用さを見るに東京以外でも安定して走れそうですね。軸に向いている馬だと思います。』

京都新聞杯 回顧 『夢舞台は断念。次の舞台は?』

大遅刻その4。

というかもう期限切れ感すらありますが備忘録を兼ねてますので自己満で書きます。

サトノグランツに関してはダービー前に個別で取り上げましたので今回は割愛します。サトノグランツに関しては「京都新聞杯サトノグランツ回顧」を参照ください。

さてレース回顧ですが、このレースでダービーの優先出走権を得るには勝つしかありませんでした。したがってここはどの馬もまずここを勝つためにある程度の仕上げを施してきます。今後に向けて力関係を測るには結構うってつけのレースかもしれませんね。

 

2着 6枠7番 ダノントルネード

このレースは先行馬が上位を多く占める結果となりましたが、この馬はその中で1番速い上がりを使いました。その分前に出れたという形ですね。

マキシが向正面で一気に捲ってきた影響でラスト800mのロングスパート合戦になりましたが、途中まではかなりのスローペースでありスパート分のスタミナは温存出来ていたということでしょう。

ただ前の馬もそれは同じだったようでなかなか脚が止まらず、ラスト100mでマキシ、ゴール手前でようやくリビアングラスを捉えました。西村淳也騎手、頑張りましたね。

なかなか差が詰められない中で鞍上の気迫に応えてしっかり捉え切った脚力と勝負根性は素晴らしいと思います。が、最後の最後でサトノグランツに後ろから差されてしまいました。

この馬としては前の馬を抜いたと思ったら後ろから不意打ちを食らったような感じですので、サトノグランツと比較すると少し不利な立場に置かれていました。

しかしそれまでの過程を見れば前3頭がそのまま残る展開でサトノグランツは後ろから差してきたわけですから、力の違いというのは確かにあった印象です。着差以上に力量差を感じました。

菊花賞に行くためには賞金が足りないのでどこかでひとつ勝つ必要がありますが現状菊花賞に出てもちょっと厳しいと思います。身体の大きな馬ですし、無理に距離を伸ばさず1600〜2000くらいで勝負するのがいいと思います。

出られればですが小倉記念中京記念なんてどうでしょうか。ハンデ結構軽くしてもらえそうですよね。

 

3着 8枠13番 リビアングラス

上手く逃げたなぁと舌を巻きました。400m〜1000mまでの3Fタイムがなんと13.2-13.5-12.6のラップを刻んでいます。

ここまでしっかり息を入れられるとそりゃあ脚も残りますね。途中でマキシに捲られ一度は先頭を譲りましたがまた3コーナー付近でハナを取り返して先頭で直線に向きます。

スタミナはまだ十分残っていたようで、先頭で一旦は後続を突き放し一瞬逃げ切るかなと思いましたがゴール直前で差されてしまいました。

これは地力によるものであり、展開が向いたからといってどうにかなる力量差ではなかったのかなという印象です。

今回はかなり上手く立ち回れての結果ですので、問題は同型馬と競り合った時にどうなるかですね。京都は合ってると思いますので、京都で同型馬が居ない時は狙って行きたいと思います。

 

3人気 5着 マイネルラウレア

この馬は毎回凄い脚で突っ込んできます。今回最も非常に良い脚を使って追い込んできましたが届かずの5着。これも毎回お決まりです。

エンジンのかかりの遅さがこの馬の弱点です。トップスピードに乗るまでの時間さえなんとかなれば重賞でも全然勝ち負けできるとは思うのですが、そこが簡単に直れば苦労はしませんからね……。

このエンジンのかかりの遅さとかかった後のスピードを考えれば直線の長いコースの方がいいのは間違いないでしょう。ダービーで見てみたかった馬ですね。もっとも今年は前有利になってしまいましたが。

エンジンのかかりがどうにでもならないのであれば位置を上げるのも良いと思いますが、和田竜二騎手の腕がもげないか心配です。どうにかお互いの納得のいく位置はないものでしょうか……。

現状では東京や阪神外回り、新潟外回りなどで末脚一閃が炸裂するのを待つ……といった感じですね。

菊花賞は目指すんでしょうか?上手く賞金を加算させて参戦することができれば一発を期待してみたくなりますね。

日本ダービー 人気馬回顧 『不運と踊っちまった馬』

3人気 8着 ファントムシーフ

外枠から出遅れてしまいました。これが致命傷になりましたね。前走は後ろからの競馬で3着まで来ていますが重馬場での競馬であり、後ろの馬に展開も向いての好走でした。

この馬はサンデーサイレンスの血を全く持っておらず、最高速度に限界があるような感じがします。33秒前半の末脚を求められてしまうと分が悪いかもしれませんね。

おそらくこの馬を買っていた人は先行する競馬を期待したことでしょう。それだけにスタートでの立ち遅れは頭を抱える事態だったと思います。

武豊騎手は「途中で位置を上げたがもっと行くべきだった。勇気が足りなかった。」とのコメントを残していました。実際思い切って先団まで取り付いたハーツコンチェルトが3着に食い込んでいますので尚更そう感じてしまいますね。

ただいくらスローだからといってあそこまで一気に捲っていくのは本当に勇気が必要だと思いますし、どの馬も上手くいくわけではありません。

ダービーの大舞台で人気を背負っていたこの馬であの動きをするには流石の武豊でも少し尻込みしてしまったということなんでしょうね。

秋は菊花賞へ向かうんでしょうか?この馬も菊花賞で人気の一角になりそうですね。個人的にはハービンジャー産駒ですし洋芝の札幌記念に出てきてくれないかなぁと思っています。古馬相手になりますが結構良い勝負出来ると思いますよ。

 

5人気 9着 シャザーン

この馬も思ったほど伸びなかったですか?いやいや他の馬も伸びていたから目立たなかっただけなんです。

上がり3Fは33.2を出しておりソールオリエンスよりも0.1秒速いのです。

となるとやはり位置取りですね。4角を2桁番手で回ってきた馬は1枠のべラジオオペラを除いてはこの馬が最先着です。直線で後ろに居た馬はその時点でもう厳しかったレースということですね。

後ろからの競馬になるとどうしても展開によって好走が左右されてしまいがちです。今回は不運な方でしたね。

この馬はギリギリ18番目でダービーに出走してきました。その時点で持てる運は使い切ってしまっていたのかもしれません。それだけでも大変立派なことです。

繰り返しになりますが今回は展開的に無理なレースです。あまり評価を落としすぎずにまた直線の長いコースで末脚が爆発することを期待しましょう。差し馬が届く馬場と展開も期待しながら。

 

2人気 17着 スキルヴィング

今回最も不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまった馬です。

茶化すつもりはありません。本当の本当に不運だった、ただそれだけで。本当の本当の本当にそこだけだったんです。

私はこの馬を本命で買っていましたが、4角ではほとんど勝利を確信していました。

1枠からロスなく内を回っていたかと思えばいつの間にか外に出ていていつの間にか先団に取り付いていたのです。流石ルメール騎手としか言いようがありませんでしたね。

大外に位置付けたまま直線を向いてあとは存分に末脚を発揮するだけ!……と思ったのですが直線で急に手応えが無くなりました。恐らくここで心房細動を発症したのでしょう。ルメール騎手が追うのをやめ、ゆっくりと内の方に誘導して行きました。

最後はゆっくりとゴールした後に急性心不全を発症、その後のことは知っての通りです。大勢のファンが見守る目の前で、あまりに悲しい最後でした。ですが、とても誇り高くかっこいい最後にも見えました。

関係者の方々の気持ちを思うと何と言えばいいのかわからなくなってしまいますが、これに関しては誰も悪くないのです。本当に、本当に運だけが無かった。もうこれでしかないのです。

スキルヴィング号ありがとう。そしてお疲れ様でした。