次につなげる競馬レース回顧

これ以上負けないように。もっと良い思いをするために。何より競馬を楽しむために。

日本ダービー 人気馬回顧 『不運と踊っちまった馬』

3人気 8着 ファントムシーフ

外枠から出遅れてしまいました。これが致命傷になりましたね。前走は後ろからの競馬で3着まで来ていますが重馬場での競馬であり、後ろの馬に展開も向いての好走でした。

この馬はサンデーサイレンスの血を全く持っておらず、最高速度に限界があるような感じがします。33秒前半の末脚を求められてしまうと分が悪いかもしれませんね。

おそらくこの馬を買っていた人は先行する競馬を期待したことでしょう。それだけにスタートでの立ち遅れは頭を抱える事態だったと思います。

武豊騎手は「途中で位置を上げたがもっと行くべきだった。勇気が足りなかった。」とのコメントを残していました。実際思い切って先団まで取り付いたハーツコンチェルトが3着に食い込んでいますので尚更そう感じてしまいますね。

ただいくらスローだからといってあそこまで一気に捲っていくのは本当に勇気が必要だと思いますし、どの馬も上手くいくわけではありません。

ダービーの大舞台で人気を背負っていたこの馬であの動きをするには流石の武豊でも少し尻込みしてしまったということなんでしょうね。

秋は菊花賞へ向かうんでしょうか?この馬も菊花賞で人気の一角になりそうですね。個人的にはハービンジャー産駒ですし洋芝の札幌記念に出てきてくれないかなぁと思っています。古馬相手になりますが結構良い勝負出来ると思いますよ。

 

5人気 9着 シャザーン

この馬も思ったほど伸びなかったですか?いやいや他の馬も伸びていたから目立たなかっただけなんです。

上がり3Fは33.2を出しておりソールオリエンスよりも0.1秒速いのです。

となるとやはり位置取りですね。4角を2桁番手で回ってきた馬は1枠のべラジオオペラを除いてはこの馬が最先着です。直線で後ろに居た馬はその時点でもう厳しかったレースということですね。

後ろからの競馬になるとどうしても展開によって好走が左右されてしまいがちです。今回は不運な方でしたね。

この馬はギリギリ18番目でダービーに出走してきました。その時点で持てる運は使い切ってしまっていたのかもしれません。それだけでも大変立派なことです。

繰り返しになりますが今回は展開的に無理なレースです。あまり評価を落としすぎずにまた直線の長いコースで末脚が爆発することを期待しましょう。差し馬が届く馬場と展開も期待しながら。

 

2人気 17着 スキルヴィング

今回最も不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまった馬です。

茶化すつもりはありません。本当の本当に不運だった、ただそれだけで。本当の本当の本当にそこだけだったんです。

私はこの馬を本命で買っていましたが、4角ではほとんど勝利を確信していました。

1枠からロスなく内を回っていたかと思えばいつの間にか外に出ていていつの間にか先団に取り付いていたのです。流石ルメール騎手としか言いようがありませんでしたね。

大外に位置付けたまま直線を向いてあとは存分に末脚を発揮するだけ!……と思ったのですが直線で急に手応えが無くなりました。恐らくここで心房細動を発症したのでしょう。ルメール騎手が追うのをやめ、ゆっくりと内の方に誘導して行きました。

最後はゆっくりとゴールした後に急性心不全を発症、その後のことは知っての通りです。大勢のファンが見守る目の前で、あまりに悲しい最後でした。ですが、とても誇り高くかっこいい最後にも見えました。

関係者の方々の気持ちを思うと何と言えばいいのかわからなくなってしまいますが、これに関しては誰も悪くないのです。本当に、本当に運だけが無かった。もうこれでしかないのです。

スキルヴィング号ありがとう。そしてお疲れ様でした。