次につなげる競馬レース回顧

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京王杯スプリングC 回顧『コース変わりは内が良いと言ったな、あれは嘘だ』

マイラーもスプリンターも出走してくる1400mのG2であるこのレース。

今年もG1勝ち馬・好走馬を含む有力馬が数多く集まり、更にコース変わりや雨も影響してかオッズも6番人気までが10.0倍以内にひしめき合う混戦となりました。

そんな中、3度目の重賞挑戦となったレッドモンレーヴが外から鮮やかに差し切って重賞初勝利。

一方で人気を集めたダノンスコーピオンは馬群に沈み、2.3着にはそれぞれ7番人気と6番人気が入着する少々の波乱決着となりました。

Bコース変わりでこれまでより外側に柵が設置されたとはいえ、直線以外の場所では柵のすぐ近くは荒れている芝がまだ残っていました。

その幅はちょうど馬1頭分くらい。

雨によりその部分の走りにくさは増していたのでしょう。今回その1頭分の隙間を通ってきた馬は悉く

 

1着 6枠12番 レッドモンレーヴ

このレッドモンレーヴの勝利で蛯名正義厩舎は重賞初勝利です。おめでとうございます。

スタートで少し後手を踏みましたが落ち着いて外目にポジションを取り、いつでも自分から仕掛けていける位置に付けました。

今回は2桁馬番の馬が掲示板を独占しており、外を回った馬に向く傾向がありました。最初にとったこの位置が吉と出ましたね。

直線では大外を回してスムーズに加速していきました。この馬は33秒前半の速い末脚が安定して繰り出せており、今回に至っては32.6と非常に優れた末脚を見せています。

外が伸びる馬場、先行した馬が最後の最後で苦しくなる展開、それぞれが噛み合い鮮やかな差し切り勝ちに繋がりました。

これで東京コースは3-1-0-1になり東京への適性は言うまでもないでしょう。唯一の着外も3歳2月と若い時期の共同通信杯でかつ稍重の馬場であり、更に距離も少し長いということでほぼ度外視してもいいのではないかと思います。

さて本番の安田記念ですがどうでしょうかね。末脚勝負となればシュネルマイスターやセリフォスなど錚々たるメンツと競り合わなければいけません。

先行馬も強い馬が揃いますしペースも流れて差しも届くとは思いますが他の差し馬も同条件ですからね。好走するには他の馬とは違うもう一押し、もう一段の上積みが欲しいかなというところです。現状では厳しいと思います。

 

2着 5枠10番 ウインマーベル

またしても2着となりました。良い走りが出来ているだけになんとも悔しい歯痒い結果が続きますね。

この馬も内に馬を置いて外側をぐるっと回ってきた馬です。その分の恩恵はあったでしょう。

驚いたのは直線ラスト200mからの瞬発力です。外からゾンニッヒにかわされ一度は馬群に沈みかけたのですが、数発ムチが入ると一気に加速。

ゾンニッヒを軽々と差し返すと前を走っていたラウダシオンとダディーズビビッドも一気にかわして2着に飛び込みました。

大外から更に数段上の脚を使った馬がいたので勝つことはできませんでしたが、先行してあの加速が出来るのですから直線はかなり良い内容であったように思えます。勝負根性もいいですね。

次の目標はスプリンターズステークスでしょう。前哨戦は使うのでしょうか?賞金が足りないということはないでしょうし出てきても緩め仕上げだとは思いますが、もし仕上がりが緩くてもヒモには入れておきたいと思える今日の走りでしたね。

 

3着 7枠15番 ダディーズビビッド

この馬も外を回ってスムーズに抜け出す上手い競馬でしたね。最後もじわじわ伸びて馬券内に残しました。流石は1400巧者です。

今回で重賞含むオープン以上の1400mでは2-3-3-1になりました。1400mでは常に買っておくべき馬でしょう。

逆に1400m以外では3歳になって以降0-2-0-8と結果が出ていません。

穴になっているとつい買いたくなってしまうと思いますが1400以外では買わない強い意志を持ちましょう。1400なら穴でも買いましょう。そういう馬です。

 

3人気 6着 ゾンニッヒ

戦前の池江調教師曰く、使える脚が一瞬しか無いとのことでしたがその通りでしたね。

好走馬たちと同様に向正面から外を回してスムーズに前を向けましたし、鞍上も末脚の短さを考慮してギリギリまで追い出しを我慢していました。

追い出すとしっかり反応して一時は突き抜けるかとも思いましたがその刹那ピタッと加速が止まり……。

初めての1400mでしたが馬なりで道中ついていけていますしそこまで強く追わなくても進出は出来ていたことから、ペースに戸惑ったり息が上がってしまったというわけではなさそうです。

最後の直線も一杯で失速したわけではなくこの馬のスピードの限界が来てしまっただけで、近くにいた周りの馬の方がキレた分順位が決まったということでしょう。

シンプルに長い直線は厳しそうです。そもそも中山や小倉で良績を上げてきた馬ですからね。東京は流石に適性外だったということでしょう。

中山のオープン〜G3でまた狙ってみたいと思います。阪神1400mとかもいけるかもしれませんね。

 

1人気 1枠1番 ダノンスコーピオ

ここまで読んで頂いた方は、この枠でもう何が起こったか察したかもしれませんね。

この馬が1頭分の荒れ馬場を走った馬です。しかも直線でどん詰まりしていました。いくらG1馬といえど流石に厳しそうでしたね。あれで勝ったら安田記念でも有力候補です。

この馬はデビューから外枠に入ることが多かった馬で、最内で揉まれるのもあまり慣れていなかったかもしれませんね。

海外帰りの休み明けとはいえもう少し形にしたかったところだとは思いますが、安田記念に向けて上手く調整してくることを期待しましょう。

とはいえ前述の通り安田記念は手強い相手が揃いますのでなかなか厳しい戦いになるかなと思います。私の中では現状人気が全然なければ抑えるくらいですね。