上半期の総決算・宝塚記念が終わりました。
世界一位の馬による、締めくくりに相応しい見応えのあるレースでした。
前走逃げておいて今度は大外ぶん回しの追い込みとは……どこまで強いんですかねこの馬は。そのうち165km/h投げたりしないですよね?ホームラン打ったりしないですか?大丈夫ですか?
宝塚記念が終わりG1戦線はひとまず落ち着きますが、今週末からは夏競馬が本格的に始まります。G1時期しか競馬をしないという人もいるかと思いますが、夏競馬も見どころ沢山で本当に面白いですからね。お休み期間なんてありませんよ競馬は。
それと余談&私ごとですが今回人生初のwin5が当たりました。堅い決着で払い戻しはかなり安めでしたが当たったことが嬉しいですね。イクイノックスが1着でゴール板を通過した時は思わずはしゃいでしまいました。
またこの爽快感を味わいたいものですね…。出来れば今度は高額で。
1着 3枠5番 イクイノックス
栗東滞在とか、海外帰りとか、前走逃げたとか、内枠すぎるとか。色々な不安要素が戦前挙げられていましたが関係ありませんでしたね。
いや、関係はあったけどそれを跳ね除けて尚勝ち切る強さがあったというのが正しいでしょうか。
スタートをした最初の直線、どの馬も勢いよく飛び出し前目を目指しての位置取り争いとなる一方でこの馬は痛恨のつまづき。後方2番手の位置になってしまいました。また1コーナーまでの間にイクイノックスが少し行きたがるような素振りを見せていて、前走逃げた影響が少なからず出ているようにも感じました。
今週は開催最終週ではありましたが、どうにも前が止まらずなかなか例年のような外差し馬場とまでは言えない状態のトラックバイアスがありました。それを踏まえての最初の各馬の動きだったのでしょう。
これで一気にイクイノックスは厳しくなったかと思いましたが、ルメール騎手は落ち着いていましたね。この馬の強さを信じて疑わない騎乗でした。
荒れている内側の馬場を避け、少し外目を追走して3コーナーで仕掛けたジェラルディーナを追いかけるようにペースを上げて位置を押し上げ、最後は大外をぶん回して末脚一閃。
直線を向く時に大きく一頭外に膨れるような形となり、さらにソラも使ったとのことでしたがそんな距離ロスなんかもお構いなしにぐんぐん加速し馬群を捉えます。トラッキングの映像が本当にゲームの強い馬みたいな動きしてましたね笑
最後スルーセブンシーズに並びかけられそうになった時にやっと1発ムチが入りましたがその反応の凄いこと凄いこと……。まだ余力があったんでしょうか。恐らくパーフェクト万全の状態でもなかったでしょうにこのパフォーマンスは流石としか言えませんね。
そもそも宝塚記念は他会場で実績のある実力馬に厳しいレースです。その中でこれだけの走り方をするのですから文句無しでしょう。
イクイノックス。お前がナンバーワンだ。
この後はどこへ向かうんでしょうか。賞金的にもジャパンカップが良いかなとは思いますが、海外でその強さを見せてほしいというのも正直あります。どこに行っても恥じない走りをしてくれることでしょう。次走が楽しみですね。それまでどうか順調に過ごして欲しいです。
2着 3枠6番 スルーセブンシーズ
もう少しだったんですがね……!
イクイノックスを差し切れなくてあんなに悔しさ100%で悔しがれる騎手は池添騎手だけなんじゃないでしょうか。普通「イクイつえ〜〜」みたいな感情も混ざりそうなものですが……。
前述の通りどの馬も前目のポジションを求めたためにペースが速くなりました。58.9なのでそこまで激流であったわけではないですが、脚元や途中から押し上げた馬がいたことも考えると前目の馬はかなりきつい展開の中で走っていたことでしょう。
最終的に上位入着組は2桁番手で追走していた馬がズラッと並んでいます。展開が完全にこの馬を味方しましたね。
この馬は中山の重賞で良績を出していることからもわかるように、小回りでの曲がりながらの加速技術が非常に優れています。
外に膨れることなく通りたい道をビタっと回りながら加速していき、上がり1位の末脚を披露してくれました。イクイノックスよりも0.2秒も速い末脚、お見事です。
唯一残念だったのは直線で一度進路を失ってしまったことですね。さぁここから!というところでジオグリフとジャスティンパレスに行く手を阻まれ、内へ切り替えるロスがありました。
しかしながら切り替えた後も鋭く伸びて最終的にクビ差まで追い詰めています。このロスが無ければ……と思わずにはいられません。
誰もが驚く素晴らしい走りだったと思います。胸を張ってフランスに渡って欲しいですね。日本のみんなが応援してくれてますよ。
渡仏の前に何か日本で使うんでしょうか?使うとなると札幌記念あたりになると思いますが洋芝も走れそうですし有力候補ですね。
今回ほど後ろに控えるような形にはならないと思いますし、比較的差しの決まる札幌ならば十分期待できると思います。
3着 5枠9番 ジャスティンパレス
思ったより後ろの位置を取ったなぁという印象でしたが、鞍上は特に慌てる様子も見せていませんでしたね。
レース後のコメントでは「イクイノックスは後ろにいるし、あまり前を深追いせずにイクイノックスを把握しながら進めた」とのことでした。鮫島克騎手の中ではプランのひとつだったようですね。
そしてこれもレース後コメントで触れていましたが、3コーナーでジェラルディーナが動いた時にこの馬は動かなかったことはとても驚きましたね。あそこで動かなければイクイノックスの末脚に屈してしまうと私は思っていたからです。
しかしこの人馬は違う考えだったようで、イクイノックスがすぐ後ろに来るまで待つことを選択しました。この判断は凄いですね。
これもまた鮫島克騎手の言葉をお借りしますが「世界一の馬に真っ向勝負を挑んだ」のです。結果的にイクイノックスには捩じ伏せられてしまいましたが、先に勝負を仕掛けたジェラルディーナを最後にかわして3着に食い込んでいます。これはギリギリまで追い出しを我慢した分の末脚でしょう。ジェラルディーナを追わなかったあの判断は大正解だったというわけです。
しかも直線入り口でムチを落としており、懸命に押して押して3着に来ています。馬も人も着順以上に見応えのある内容の濃いレースでした。
極め付けはこのレースを受けて「チャンスをもらって、勝たないといけないレースだった」と述べています。この1頭と1人の伸び代は計り知れませんね。
今回は菊花賞以来のコンビ再結成でしたが次走からもまた鮫島克騎手でのジャスティンパレスが見たいですね。それだけの戦いぶりだったと思います。
秋の目標はどこに定めるでしょうか。有馬記念もいいですが香港も良さそうですね。スピードが無いわけではないですが、東京の高速スピード勝負よりは多少タフな方が力を発揮できそうです。
4着 6枠11番 ジェラルディーナ
本命で買っていた人は興奮したでしょうね。コーナーを回りながらぐんぐん位置を上げ、直線を向いた時には先頭に並びかけていました。
が、そこから思うように脚が伸びませんでしたね。持ち前のスタミナで最後まで垂れることはありませんでしたが、勝つにはもう一段加速が欲しかったところです。
先団の馬がコーナーであまり垂れることなく並んでいたことでこの馬はその1番外をぐるっと回らされることになりました。その距離ロスが大きかった分、直線を向いた時に想定よりも少し後ろの位置になってしまったという形だと思います。
外から何か馬が来ていればその馬に併せて…ということも出来ましたが外を伸びてきたイクイノックスはジェラルディーナよりも更に3〜4頭分外を走っていたため、併せる相手も見つからずなかなか苦しい直線になってしまいました。
一時は勝つかと思わせるほどの迫力でしたが少し歯車がズレてしまったようなイメージがあります。それでも4着には食い込むのですから流石ですね。スタミナとスピードの持続力は相当なものがあると思います。
秋はエリザベス女王杯の連覇、有馬記念のリベンジを狙いに来るでしょうか。京都よりは阪神の方が良さそうな感じではありますがこのメンバーの中でこれだけの結果を残す馬ですからね。それなりに形にはしてくれることでしょう。
5着 5枠10番 ディープボンド
この馬が唯一、道中常に1桁番手を走りながらも上位に食い込んだ馬です。
最早説明もいらないかと思いますがこの馬は相当なスタミナを持っている馬で、まさにそのスタミナがものを言った結果がこの5着です。
苦しい走りを強いられた前目の馬たちが苦しくなり後ろから差し馬が大挙してくる展開の中で、この馬は先団すぐ後ろの位置を常に陣取り、直線はキレないながらもジワジワと脚を伸ばして一杯になった先行勢をかわしていきました。
速い末脚を持っていないこの馬は今回の展開は非常に厳しいものだったとは思いますが、その中でいち早く追い出し長く長く末脚を発揮することで掲示板を確保したのです。
自分の長所を活かした見事な走りです。それを完全にわかっている鞍上の手綱捌きも流石ですね。
ディープボンドが人気のアイドルホースであることは重々承知ですが、こういった馬は応援したくなりますよね。どうにかG1をひとつ、願わくば和田竜二騎手と取ってもらいたいなぁと常々考えています。
取るとすればどこがいいんでしょうか。日本ではもう厳しいような気がしますが………強いて言うなら秋は有馬記念ですかね……。