次につなげる競馬レース回顧

これ以上負けないように。もっと良い思いをするために。何より競馬を楽しむために。

天皇賞・春 人気馬回顧 『ミエナイチカラ』

3人気 6着 ボルドグフーシュ

4角を回ってきた時に勝つのはこの馬だと思いました。先行馬がキツイ流れの中、勢いに乗って外を回した差し馬が大挙してくると思ったのです。

その中の筆頭はやはりボルドグフーシュであり、直線を迎えた位置もジャスティンパレスの真後ろという絶好の場所で迎えることが出来ていました。

あとは持ち前の末脚を発揮するだけ……だったのですが、思ったより伸びませんでしたね。ブレークアップとの追い比べに敗れ、後ろから来たシルヴァーソニックにもあっさりとかわされてしまいました。

思ったよりも伸びなかった理由は捲るタイミングが大きかったと考えています。

実は1周目のホームストレッチで馬群から離れた大外から位置を少し上げており、かなり序盤で脚を使っていました。

そして当然ながら向正面の上り坂、コーナーを回りながらの下り坂でもスパートをかける各馬に合わせてスピードを上げて外を回すのを余儀なくされてしまいます。他馬が息を入れたタイミングでこの馬だけ息を入れられなかったように見えましたね。

ボルドグフーシュの溢れるスタミナを考慮したり前にいる有力馬に出し抜かれないようにという思いからの動きだと思うのですが、結果的にはいたずらにロスを増やしてしまう走りとなりました。その分直線では弾けなかったという感じでしょうか。

それでも6着に残すのですからこの馬のスタミナは凄いですね。タイミングひとつで勝ち負けまで食い込めたのではないかと思ってしまいます。

この馬も宝塚記念に向かうのでしょうか?距離は短くなりますが良い勝負できるかもしれませんね。川田騎手としても3200よりはそちらの方がやりやすいでしょう。

 

4人気 11着 アスクビクターモア

スタートから一貫してタイトルホルダーをマークしていました。何としてもタイトルホルダーに勝つんだ、この馬の思い通りにはさせないんだという気迫が伝わってくる徹底ぶりでしたね。

ですが同じ思いの馬が他にも沢山いたことでペースは上がり、しまいには目標のタイトルホルダーがいなくなったことで最後は苦しくなってしまいました。

自分のペースではなく徹底的にマークする戦法を選びタイトルホルダーを倒しに行った結果ですから、11着という数字はそこまで気にしなくていいのかなと思っています。出遅れの日経賞、先行崩れの中撤退マークで疲弊した天皇賞・春で次走は少し人気が落ちると思います。次走は未定とのこですが、もしG2以下を使うのであれば次は狙い目じゃないでしょうか。

クラシック路線ではイクイノックス、ドウデュース、ジオグリフなんかと鎬を削ってきた馬です。自分の競馬が出来れば強い馬ですよ。

 

1人気 競走中止 タイトルホルダー

3.4コーナーで右前肢跛行を発症、競走を中止しました。

検査の結果深刻な怪我等は無かったようで、右半身に強い筋肉痛が残っている感じだそうです。とりあえずは一安心といったところでしょうか……。

アフリカンゴールドも次走は札幌記念に向かうようで、こちらも一安心。

トーセンカンビーナと軽度骨折が判明したヒュミドールは続報待ちとなりますが早く元気な姿を見せてほしいですね。

さて道中のタイトルホルダーですが各方面から終始プレッシャーをかけられて苦しい競馬となりましね。大外からアフリカンゴールドがハナ争いを仕掛け、常に近くにはアスクビクターモアがピッタリとマークし続け、アフリカンゴールドが下がったかと思えばすかさずアイアンバローズが突いてくるといった「タイトルホルダー包囲網」が敷かれていました。

あのまま直線に入ったとして、タイトルホルダーはジャスティンパレスに勝てたでしょうか?競馬ですのでやってみないとわからないのは百も承知ですが、個人的には厳しかったんじゃないかなと思っています。

常にマークされ続けプレッシャーをかけられるのは想像以上に体力を消耗します。意識しなくても見えないチカラが体に入ってしまうものです。そしてそれはマークする側にとっても一緒で、結果的にはしっかりと自分のやるべき競馬を続けた馬が上位を占めた形になったと思います。

タイトルホルダーにはこのプレッシャーはこれから常に付き纏います。今後このプレッシャーを跳ね返すかどうかがこの馬の課題になってきますね。まずはしっかりと療養して、元気な姿を見せてほしいです。