あまりの強さにドン引きした。
そういう感想を抱いた方が多いのではないでしょうか?私はドン引きもドン引きでした。
後ろにいたら間に合わない。外に出したら届かない。ちょっとやそっとの有力馬程度では簡単に馬券外に飛ばされてしまう。そんなトラックバイアスが間違いなく日曜の阪神芝には存在していました。
しかし桜花賞の勝ち馬はそんな強い馬程度のレベルでは収まらないスケールの大きさ、異常とも言えるべき化け物級の強さだったということでした。
1着 2枠3番 リバティアイランド
枠が内すぎるとか、有力馬に包囲されるとか、後ろからは厳しい馬場とか。まっっったく問題にしませんでした。
先行馬二頭が抜け出し、差し馬勢がなかなか差を詰めることができないのを尻目に大外ぶん回しでまさに異次元の末脚で15頭をごぼう抜き。圧倒的な強さで同世代の有力馬をねじ伏せました。
上がりタイムはぶっちぎりの32.9でハープスターに並んで桜花賞歴代トップタイとのことですがハープスターの桜花賞は他の差し馬も脚を伸ばす中でのタイムであり、ハープスターの強さはもちろんですがそれでも展開が向いたことは明白です。
が、今回のリバティアイランドはたった一頭、イン前有利の中を直線一気で全て飲み込みました。明らかに飛び抜けた末脚であったと思います。
川田将雅騎手は「全然進んでいかない」とこぼしていましたが、予定ではもう少し前に取り付きたかったということでしょうか。
しかし最終的には馬の力を信じて他馬に邪魔されない最後方大外から末脚を伸ばすという選択をしました。自分の馬を信頼し切った騎乗のようにも見えましたね。
次走はオークスへ向かうと思いますが、今日のレースを見るとダービーでも全然勝ちそうな感じすらしてしまいます。牝馬が1番人気を背負ってダービーを勝つ……この馬ならそんな光景が見られるかもしれませんね。
どうですか中内田先生。ダービー、取りたくないですか?変則三冠、やってみませんか?
2着 5枠9番 コナコースト
この馬が今の阪神の芝において最高の位置につけ、1番理想的な競馬をしました。
逃げ馬のすぐ後ろをつけていき、直線で逃げ馬を捉えインをじりじり伸びていくという今の阪神勝ちパターンのお手本のような騎乗でした。
前週のマテンロウレオ、前日のサウンドビバーチェ、そしてこの馬。あの位置を取れた時点で好走はほぼ約束されていたようなものでしたね。
鮫島克駿騎手も手応えがあったことでしょう。見事な手綱捌きだったと思います。ただひとつ誤算だったといえば勝ち馬が想像を遥かに超える化け物であったということですね。
本来であればG1を勝っていた馬です。強いと思います。しかし今回は圧倒的な馬場バイアスを活かしての好走であることも忘れないようにしておきましょう。
3着 7枠14番 ペリファーニア
この馬も先行して馬場バイアスを活かしました。しかし外からトーセンローリエが勢いよく前に行こうとしたのもあり、理想よりは1段後ろになってしまったようにも思えます。
直線は最内に比べあまり伸びない外へ進路を取りましたがよく伸びてコナコーストに迫りました。一時は先頭に立ち、そのまま突き抜けるかというほどの手応えでしたが最後は振り切られ……。
これは枠と通った場所の差です。コナコーストと枠が違えば結果は違ったと思っています。本来伸びないはずの場所でしっかりと末脚を伸ばしたこの馬はかなり評価できます。流石エフフォーリアの妹ですね。次走以降また狙いたいと思える一頭です。
4着 3枠5番 ハーパー
ペリファーニアの後ろにつけてほぼ同じルートを通って走ってきました。
前述の通りに通った場所がベストというわけではなかったものの、そこを通ってこの馬もしっかりと伸びてきました。位置取りの差で馬券内には届きませんでしたが4着まできたこの馬と掲示板外に飛んだ先行馬との間には確かな実力差があったと思います。
レース後ルメール騎手は距離が伸びて良いと思うと発言していました。オークスは速い上がりを使って差してくる馬に有利な傾向があります。
1枠などに入ったら注意したい存在ですね。
5着 2枠4番 ドゥアイズ
レース後吉田隼人騎手「イメージしたところで運べました。距離が伸びていいタイプだと思います」
今回の枠からあの位置取り、ほとんど勝機が無いなと思ってレースを見ていましたが隼人騎手の中ではイメージ通りとのことでした。その心は最初から次走、オークスにあったということだと思います。
ハーパーと同様にジリジリと伸びて掲示板まで来たのは評価できます。この馬も1枠だったら狙いたくなりますね。